産後の時期別ボディケア
産後に早く妊娠前の体型に戻したい!ボディケアをしたい!と思うママは多いと思います。
私のもとにもそういう想いのママさんがいらっしゃっています。
妊娠中は当たり前ですが体重が増加します。
これはお腹の赤ちゃんが育つためには正常過程です。
妊娠中は胎児の重さ、胎盤や羊水の重さ、増加した組織の水分量の分、体重が増加します。
また妊娠中に増え続ける女性ホルモンは、妊娠を継続させるために脂肪を蓄積させます。
結果、胎児や胎盤・羊水の重さに加えて、脂肪の重さ分の体重が増えることもあります。
出産を経験したことがある方は、ご存じだと思いますが…
出産してすぐ体重計に乗ると、お腹の中に赤ちゃん、胎盤・羊水がなくなっても、妊娠前の体重にならない!そんな方が多いと思います。
「あー、すごい太っちゃったんだなぁ」なんて思う方も多いと思いますが、これは妊娠中の当たり前の身体の反応なんですよ!
産後の体型が気になるママは、産後すぐにボディケアやダイエットを始める方もいらっしゃいます。
しかし!どうしても上手くいかない…そんな風に感じているママもいらっしゃるかと思います。
それは…産後の身体の戻りの生理的な過程から外れているのかもしれません。
産後の身体の戻りは、ホルモン分泌バランスに大きく支配されていると思います。
今回は産後のホルモンの変化を中心に考えた、時期別のボディケア、ダイエットのポイントについてお話したいと思います。
時期別のボディケアのポイントを知っておくと、焦ることなく効率的にボディケアが行えると思います。
是非参考にしてみてくださいね!
目次
産後のダイエット│出産直後~産後1ヶ月
妊娠中は大きくホルモン分泌バランスの変化が起こります。それは妊娠を継続させるため、胎児をお腹の中で育てるために必要な変化です。
そして産後もまた大きくホルモン分泌バランスの変化が起こります。それは産まれてきた赤ちゃんを育てるためです。赤ちゃんを育てるために、母乳を出したり、ママが赤ちゃんを守るために「愛情ホルモン」を沢山分泌したり、赤ちゃん以外の人には攻撃的になったりと…産後特有のホルモン分泌バランスへと変化していきます。
赤ちゃんを育てるために分泌しているホルモンですが…このホルモン分泌バランスの変化が心身の不調の原因になることもあります。
- 自律神経の反応が乱れる
- 睡眠不足
- イライラしやすい
- ストレスがたまる
- 記憶力や判断力、集中力に欠ける
このような症状が起こることもあります。
また産後のママの身体は、赤ちゃんに栄養を与えるために母乳を作っています。
母乳を作るためには、身体に水分を沢山ためておく必要があります。
そのためこの時期は、なんとなく身体がすっきりしなかったり、重たく感じることもあると思いますが「正常」な身体の反応なのです。
妊娠出産は身体に大きな変化や負担がかかります。
骨盤は非妊娠時は普通ほとんど開くことはありません。とても強い靭帯で固定されています。
しかし出産時は骨盤内を胎児が通過して産まれてきます。普段動かない骨盤の関節が大きく動きます!
さらに会陰の部分は大きく引き伸ばされ、切開や裂傷をすることもあります。
子宮は非妊娠時は鶏の卵位の大きさですが、妊娠後期にはバスケットボール位大きくなります。
出産直後から産後1ヶ月はこの妊娠~出産に起こった身体の変化や負担を回復させる時期です。
- 可能な限り横になる時間を作る
- 可能な限り睡眠をとる
- バランスの良い食事をとる
- ストレスをためない
ことを最優先にする時期です。
この時期に無理な生活や運動を行うと後々、子宮の状態が悪くなったり…腰痛などのトラブル…尿もれや骨盤臓器脱などの骨盤底トラブルが起こりかねません。
しっかりと休息をとるようにしてくださいね!!
産後ダイエット│産後2ヶ月~6ヶ月
出産後2か月経つと少しずつ育児にも慣れてくるころだと思います。
また赤ちゃんの昼寝の時間や授乳の時間も決まってきて、赤ちゃんの生活のリズムが整いはじめるのもこの時期ですよね。
ママの生活のリズムも出来てきて、少しずつ気持ちにもゆとりが出てくる時期かと思います
ママの身体は、授乳をしていない方は少しずつホルモン分泌バランスが非妊娠時の頃に戻っていきます。
それに伴い生理が再開する方もいらっしゃるかと思います。
出産直後~産後のこの時期までは、エストロゲンやプロゲステロンといういわゆる『女性ホルモン』が減少しています。
それに対してプロラクチンというホルモンが多く分泌されています。
女性ホルモンは脂肪の代謝や骨密度に大きく関与をします。
またプロラクチンというホルモンの作用には体内の水分調整があります。
産後にホルモンの分泌バランスが徐々に非妊娠時に戻ってきて、生理が再開するということは
このような代謝や水分コントロールが正常に戻ってきていることになります。
産後の運動やダイエットを始めるにはこの時期が適していると思われます。
しかし妊娠・出産で負担をかけた、骨盤の底にある筋肉(骨盤底筋)の回復はさらにゆっくりです。
そのため骨盤底筋に負担のかかる運動は危険であり、この時期に適切なトレーニングを行わないと尿漏れや臓器脱のリスクも高まります。
- 上下に跳ねるような運動(ジャンプ、ランニング、激しいステップなど)
- 過度な腹圧がかかる運動(強い負荷をかけた運動、お腹が盛り上がるほどの腹筋運動など)
これらは行わない方が望ましいです。
まずは、
- 呼吸で腹筋を使うようなトレーニング
- 負荷の少ないゆっくりとしたトレーニング
- 妊娠中動きが少なかった部分を動かすようなストレッチ
などを行うことをオススメします。
呼吸だけでもしっかり行うと良いトレーニングになります。
妊娠中は思っている以上にお腹周りや骨盤周りの筋肉が落ちています。
焦らずゆっくり、継続してトレーニングをしていくことが大切です!
産後ダイエット│産後6ヶ月以降
産後6ヶ月頃になると、赤ちゃんとの生活に慣れ、赤ちゃんと外出する機会も増えてくると思います。
また赤ちゃんの体重も増えてきて、長時間の抱っこがきつくなってくるのもこの時期ですよね。
この時期に腰痛や肩こりで悩むママは多いと思います。
赤ちゃんの体重が増え、外出が増えてくる時期までに少しずつママの身体も整えていく必要がありますね。
産後6ヶ月以降は少しずつエクササイズの負荷を増やしたり、内容も少しハードなものにしていっても良いと思います。
※しかし産後2~6ヶ月までの間にしっかりトレーニングに取り組まれた方に限ったことですよ!
産後6ヶ月になってトレーニングを始める方は、必ず弱い負荷のものから始めるようにしてくださいね!!
産後2~6ヶ月までの間にトレーニングしていた方は
- スクワットやプランクなど少しハードなエクササイズ
- 今までのエクササイズにバンドやボールなどを使って負荷を与える
- 軽いランニング(骨盤底のトラブルがない場合)
なども始めていっても良いかもしれませんね!!
産後ダイエット│時期別のボディケアまとめ
いかがでしたか?
思っていたよりも慎重にトレーニングを進めていくことに驚いた方もいると思います。
しかし実際に妊娠・出産で起きた身体へのダメージや筋力低下は思っている以上だと思います。
慎重に進めていかなくては、せっかくトレーニングを行っていても腰痛や肩こりを引き起こしたり…尿漏れや臓器脱のリスクを高めることもあります。
産後の体型戻しはゆっくりです。
人間の生理的な反応や構造上から考えても当然です。
早く体型を戻したいと思う方は多いと思いますが、
みなさん同じです!(^^)
ゆっくり焦らずに…継続してトレーニングしていきましょうね!
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