8回 アプローチの対象によって変えていく必要があること
目次
ウィメンズヘルスセラピストEMIがお届けするポッドキャスト
このポッドキャストでは、ウィメンズヘルス分野で活動している私の経験や想いをシェアしていく場です。同じ活動をしているセラピストさんや、これからウィメンズヘルス分野での活動を考えている方の、ちょっとしたヒントになれば幸いです。
どうぞよろしくお願い致します。
私はいつもは産後の女性やマタニティの女性に介入させていただくことが多いのですが、先日久しぶりの高齢の方にアプローチをさせていただくことがありました。
私自身は、今まで理学療法士として病院で長く務めてきたので、高齢の方をみるにあたって抵抗はなかったのですが、久々に高齢の方にアプローチをさせていただき感じたことがあったのでシェアさせていただきます。
今日のトピックス
本日のトピックスは
「アプローチする対象によって変えていかなくてはいけないこと」と題してお届けしていきます。
先日アプローチさせていただいた方は、80歳代の女性だったのですが、腰痛で悩まれているということで関わらせていただきました。
私は最近、20代から40代の女性にアプローチさせていただくことが多いので、80代の女性の身体には久々に関わらせていただきました。
そこで一番に感じたことは…
高齢者の体に対してセラピストが与える影響の大きさ
高齢所の体に対してセラピストが与える影響の大きさを感じました。
例えば高齢の方は介入時の姿勢変換時に負担になってしまいます。
姿勢を変換する際は、多くの場合がセラピストの都合で「横向きになってください!」「仰向けに戻ってください!」など注文をすると思います。
その姿勢変換だけでも高齢の方にとっては負担になるということを改めて感じました。
若い方を多く見ていると、そのような何気ないことであっても、高齢者にとっては負担になることをつい忘れがちだと思います。
そのようなことを頭の片隅に置いておくと、安全に介入が出来ると思いますので参考にしていただければ幸いです。
施術の強度も高齢者では調整が必要
さらに施術の強度においても高齢者の施術の際には注意が必要と感じました。
組織の修復過程は、高齢者の方が時間がかかります。
さらに既往歴に糖尿病などの疾患があると、修復過程は遅延します。
私たちセラピストがクライアントに施術をする際に、少なからず刺激を与えます。
傷まではいかないとは思いますが、施術においても組織の破壊が起こっている。
そのため高齢者の場合は施術後に調子が悪くなることや立ったり、歩いたりが困難になる場合もあります。
高齢者への施術の際には、施術の強度もしっかりと評価をしながら行う必要があることを改めて感じました。
高齢者へのアプローチの際には身体機能、身体バランスなどの評価もしっかりと
高齢者は姿勢や歩行のバランスが崩れやすい。
高齢者を多く見ているセラピストにとっては当たり前かもしれませんが、若い方を中心にアプローチをしているセラピストは、日頃お客様が転倒するかもしれない!なんて考えずに施術をしていると思います。
しかし高齢者であったり、若い方でも怪我や病気を患っている方には注意が必要です。
施術時にふいにバランスを崩して、転倒するリスクもあるため、施術前にしっかりと身体機能や動作能力の評価が必要になってきます。
バイタルサインや既往歴、現病歴などの評価・聴取も大切
私たちが簡単に行える運動でも、高齢者にとっては強い負荷に感じることもあります。
運動中にバイタルが乱れることも考えられます。
どんな高齢者に対してもバイタルや全身の評価は重要です。
このように評価や聴取を多く行っていると、時間が足りないと感じることもあると思います。
用意しておいた時間で、すべて網羅して施術をするのは難しく感じるかもしれません。
しかし逆に一回の施術時間で全て網羅するのは危険にも感じます。
そのため例えば、初回の施術はしっかりと評価をすることを目標に、焦らずに行う方が良いと思います。
日常生活でよく行う動作や姿勢を聴取・観察
日常的にどのような動作や姿勢を行うことが多いのかを、確認しておくと効率よく施術が進められる。
例えば今回の腰痛のクライアントさんだと、家事動作で前かがみの姿勢でいることが多い。
または、旦那様の介護を行っていて、前かがみでの作業が多いなどの前情報を得られました。
そのような情報を前もって持っておくと、だいたいのお体の状態が推測できます。
そうすると最初に確認すべき範囲が絞られ、効率よく施術が行えます。
セラピストがとってほしいポジションがとれない方も
今回は高齢の方の施術についてお話をしてきましたが、私が日頃関わっているマタニティのお客様においても、うつ伏せは難しいです。
また腰痛のお客様においては、仰向けをとるのが辛い方もいます。
そういったときに、私たちセラピストは今まで勉強して練習してきたアプローチが出来なくて困ることがあります。
しかし、それが理由でお客様に施術を提供できないのではお客様を良くしてあげることは出来ないし、サービスに満足していただくことはできません。
日頃から、色々なポジションでの施術やエクササイズを想定しておくことも大切です。
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