腹筋群と骨盤底筋について
ロルフコンセプトウィメンズの星です。
女性であれば皆さん気になる「ぽっこりお腹」
特に産後の女性は、出産後にお腹周りが絞れずに悩む方も多くいらっしゃると思います。
そして腹囲を絞るためのエクササイズとして、腹筋運動を始める人が多くいらっしゃると思いますが…間違った方法で行うと逆効果になることもあります。
またその誤ったエクササイズ方法は女性において大切な骨盤底筋のトラブルの原因になってしまうこともあります。
今回は腹筋群について、腹筋群と骨盤底筋の関係について説明させていただきます。女性にとって大切な骨盤底筋を守りながら、効率的にエクササイズを行うきっかけになると思います。
目次
腹筋群とは…
気になる「ぽっこりお腹」を解消するためには腹筋群を鍛えることはもちろん大切になってきます。またスタイルだけでなく、腰痛や肩こりの軽減や、スポーツでのパフォーマンス向上のためにも腹筋群を鍛えることは大切です。
そもそも腹筋群とは以下の4つの筋肉の総称です。
- 腹直筋
- 外腹斜筋
- 内腹斜筋
- 腹横筋
ではこれらの筋肉のどれをどのように鍛えればいいのか?
それは、4つの筋肉の特徴から考えれば理解できます。
腹直筋と腹斜筋群
腹筋群を考える時には「腹直筋・腹斜筋群」と「腹横筋」を分けて考える必要があります。
理由は付着している位置及び筋肉の繊維方向が前者と後者で異なるからです。
まず「腹直筋・腹斜筋群」について見ていきます。
- 腹直筋
起始(筋肉付着の始まり):第5~7肋軟骨、胸骨
停止(筋肉付着の終わり):恥骨
- 外腹斜筋
起始:第5~12肋骨
停止:腸骨稜、腹直筋鞘
- 内腹斜筋
起始:腸骨、胸腰筋膜深葉(一部)
停止:第10~12肋骨、腹直筋鞘
注目してほしい所は、内腹斜筋の一部の繊維を除いては、腹直筋と腹斜筋群は肋骨から骨盤に付着しており、脊柱には付着していません。
また繊維の方向は長軸方向の繊維が多いことから、腹直筋・外腹斜筋・内腹斜筋の収縮が起こると胸郭と骨盤が近づくようなことが起こります。
腹横筋
腹横筋は腹筋群の中でも最も深い層に位置しています。
そして腹横筋も付着部に注目してみると
起始:第7~12肋骨、胸腰筋膜の深葉、腸骨
停止:腹直筋鞘
腹横筋の多くの繊維が胸腰筋膜を介して脊椎に付着しています。
また腹横筋の筋繊維の方向は横軸方向です。そのため両側の腹横筋が収縮することで腰椎の剛性を高め、さらに腹部に圧を加え平坦にする作用があります。
つまり腹直筋や腹斜筋群のような胸郭と骨盤の距離を近づけるような作用はなく腹圧を高められます。
腹筋群収縮時の骨盤底筋
「腹直筋・腹斜筋群」と「腹横筋」の作用が異なることが理解いただけたと思います。その違いは胸郭と骨盤を近づけるかどうかということですが…このことは骨盤底への影響も大きな違いがあります。
「腹直筋・腹斜筋群」のように胸郭と骨盤を近づけるような動作は、骨盤底が引き下がる方向に圧力をかけます。
よく歯磨き粉チューブに例えてお話するのですが…
歯磨き粉チューブの中央を強く握ると、そこから上下に向かって圧がかかります。これが人体でも同じことが起こっており、骨盤底にも同じように圧がかかります。
ちなみにこれは超音波でも確認出来ています
では「腹横筋」の収縮では骨盤底筋にどのような影響を与えるかというと
腹横筋の収縮と骨盤底の引き上げの関連が高いという研究データが報告されています。
つまり腹横筋を鍛えることは骨盤底筋を効率よく働かせることにも繋がるようです。
腹筋群エクササイズへの応用
以上のことから「腹横筋」だけを鍛えれば良いのか?そう思ってしまうかもしれませんが…腹横筋にはそれほど大きな収縮力はありません。
実際の動作時に体幹を安定させるだけの力を発揮出来るのは「腹直筋・腹斜筋群」です。
要するに「ぽっこりお腹」に対しても腰痛・肩こり、スポーツのパフォーマンス向上においても、4つの筋肉全てを鍛える必要があるということになります。
まぁ、当たり前のことなんですけどね…
しかし今まで説明してきたことを考えると、鍛え方に注意が必要と言うことが分かると思います。
胸郭と骨盤を近づけるような鍛え方は良くないです。
代表的なものでいうと…クランチ(いわゆる腹筋運動)は良くないですよ!!!
ロルフコンセプトウィメンズのコースでは、適切な腹筋エクササイズの指導もさせていただいています。
正しい身体作りをしたい方は是非ご利用ください。
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