女性において骨盤底筋が大切な理由
ロルフコンセプトウィメンズの星です。
近年、ウィメンズヘルスのリハビリテーションが注目されていますが、ウィメンズヘルスのリハビリテーションにおいて切っても切り離せないものに「骨盤底筋」があります。
女性に対するリハビリテーションを行う際には、必ず「骨盤底筋」に着目することが大切です。
ではどうして女性において「骨盤底筋」が大切なのでしょうか?
今回は
・骨盤底筋の役割
・女性と男性の骨盤底筋の違い
・女性における骨盤底筋の大切さ
をお伝えさせていただきます。
産後の女性やコンディショニングに力を入れている女性は、骨盤底筋を考慮しながらエクササイズを行うことの重要性が理解できるかと思います。
また産前産後や女性特有のトラブルに対するリハビリを提供するセラピストも、骨盤底筋を考慮することの大切さを理解できるかと思います。
目次
骨盤底筋の役割
そもそも骨盤底筋ってなに?と思う方も多いと思います。
骨盤底筋とは骨盤の底辺にあるいくつかの筋肉の総称です。
骨盤底筋は筋肉とはいうものの、よくトレーニングをして鍛えられる腕の筋肉のような大きな筋肉ではなく、非常に薄い構造の筋肉です。
骨盤底筋の役割は、
・骨盤内臓器である子宮や膀胱や腸を支えること
・排泄のコントロールをすること
・体幹の安定性(腹腔内圧コントロール)において重要な筋であること
です。
よって骨盤底筋の機能が低下してしまうと、
・子宮や膀胱、腸が膣から外に出てしまう臓器脱
・排泄のコントロールが出来ず、「尿漏れ」や「便秘」
・体幹の安定性が低下することで腰痛や肩こり等
が起こってくることがあります。
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女性と男性の骨盤底筋の違い
女性において骨盤底筋が大切だと前述しましたが、それを理解するためには男性の骨盤底筋との違いを知る必要があると思います。
下のイラストは骨盤を下から見たものです。
左が女性の骨盤で右が男性の骨盤です。
基本的に女性の骨盤は横に幅の広い構造になっており、男性では縦に長い構造になっています。これは女性においては妊娠・出産があるためにこのような構造になったと言われています。
そして上のイラストを見ると、女性の骨盤では赤色で塗られている部分の面積が、男性の骨盤と比べると大きいことが分かります。
この赤く塗られた部分を骨盤底筋だと考えると、女性の骨盤底筋は男性の骨盤底筋よりも面積が広いことが分かります。
前にもお話しましたが、骨盤底筋は非常に薄い構造をしています。さらにいうと、腕の曲げ伸ばしをするような筋肉である「横紋筋」の量が少なく、多くが「平滑筋」や収縮力の少ない「膜」や「繊維」で構造されています。
そのような構造の「骨盤底筋」が女性の骨盤のように広く伸ばされた状態にあるということは何が言えるでしょうか?
女性の骨盤底筋は非常にもろく、トラブルを起こしやすい
ということです。実際に男性は骨盤底のトラブルはほとんど起こらないとの報告があります。男性では鼠径ヘルニアに代表されるように、鼠径部が非常に弱い構造になっているようです。
女性における骨盤底筋の大切さ
以上のように、女性においては骨盤底筋が非常に弱い構造になっており、トラブルが起こりやすいため骨盤底筋を考慮することが大切であることをお話しさせていただきました。
さらにもう一つ女性において骨盤底筋が大切な理由があります。
それは、体幹の安定性に大きく関わっているからです。
体幹の安定性に大きく関わっている筋肉に
・腹筋群(腹直筋、外腹斜筋、内腹斜筋、腹横筋)
・横隔膜
・骨盤底筋
があります。骨盤底筋も含まれています。
この体幹の安定性に大きく関わっている筋肉は男性も女性も同じなのですが、女性においては骨盤底筋の機能がより体幹の安定性に関係しているとの報告があります。
体幹の安定性は様々な場面に必要になってくると思います。
例えばスポーツをする際には体幹が安定していないと良いパフォーマンスが出ないと思います。
また体幹が安定しないと、姿勢にも影響を与えます。どこか一部に負荷を強く与え、結果腰痛や肩こりの原因にもなります。
女性において体幹の安定性を向上させるためには、骨盤底筋を考慮した中でエクササイズやあらゆるセラピーを行うことが大切になると思います。
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腹筋群と骨盤底筋について
どうでしょうか?女性において骨盤底筋が大切であり、エクササイズやセラピーを行う上では考慮すると効果的であることがご理解いただけたと思います。
ぜひ女性は骨盤底筋について知識を深めて、今後の骨盤底トラブルの予防をしてほしいと思います。
また女性のリハビリやセラピーに関わるセラピストは骨盤底筋を考慮して進めていってほしいと思います。
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