呼吸と骨盤底筋
ロルフコンセプトウィメンズの星です。
女性において骨盤底筋は大切であり、特に女性アスリートや産前産後の女性、腰痛や肩こり等トラブルを抱えている女性においては骨盤底筋の評価・介入することは極めて大切です。
骨盤底筋の介入やエクササイズは、一般的に呼吸を利用しながら行っていきます。呼吸が原因で骨盤底筋が上手く機能していない人も沢山いらっしゃいます。
つまり骨盤底筋と呼吸は深い関係があり、相互に影響しあっています。
今回は
- 骨盤底筋と呼吸の関係
- 横隔膜について
- 良い呼吸の獲得
についてお話させていただきます。
女性に介入するセラピストも、骨盤底筋に興味を持ってエクササイズをしている女性にとっても、呼吸を意識することが骨盤底筋にとって大切であることを理解できるようになると思います。
目次
骨盤底筋と呼吸の関係
前述したとおり、骨盤底筋と呼吸は深い関係があります。ではどのように関係しているのか説明します。
人間が息を吸ったり、吐いたりするためには胸腔内・肺内の圧力をコントロールする必要があります。そのコントロールの役割をしているのが横隔膜です。
横隔膜は
- 吸気時(息を吸う)に収縮をして、横隔膜を下方に引き下げます。それにより胸腔の広がり・肺内への空気の流入が起こります。
- 呼気時(息を吐く)には弛緩して、横隔膜は上方に引き上がります。この時吸気に起こった胸郭の広がりは元に戻され、肺内からは空気が排出されます。
このように横隔膜は呼吸によって上下に動きますが、それと同様に骨盤底筋も呼吸時に動きがあります。
吸気時
- 横隔膜は下方に下がる
- 骨盤底筋も下方に下がる
呼気時
- 横隔膜は上方に上がる
- 骨盤底筋も上方に引き上がる
通常は横隔膜と骨盤底筋は呼吸の際に、同じ方向に動きがあります。
しかし骨盤底筋の機能は良好でない場合や、呼吸が浅い人では、このような横隔膜と骨盤底筋の動きが出ない方がいます。
骨盤底筋の機能が不良の場合であっても、アプローチ方法はやはり呼吸の横隔膜の動きを利用して行っていきます。つまり骨盤底筋にアプローチをする際には、良質な呼吸の獲得に対するアプローチが重要になってくるということです。
横隔膜について
女性にとって大切な骨盤底筋には呼吸(横隔膜)が大事であることが理解できたと思いますので、もう少し横隔膜についてお話していきます。
横隔膜は
- 第7~12肋軟骨の内面
- 第1~3腰椎体
- 剣状突起後面
に付着をしているドーム型の筋肉です。
多くの解剖学の本では以上のような部分に付着していると書かれていますが、実際にはもっと多くの筋肉との繋がりがあります。
- 大腰筋
- 腰方形筋
- 腹横筋
などの深層にある、いわゆるインナーマッスルやコアと呼ばれる筋肉群と筋膜での繋がりがあります。
そのため呼吸へのアプローチは、単純に胸郭にアプローチすることだけには留まらず、体幹や股関節、場合によっては肩や腕、首に対してアプローチが必要なこともあります。
↓こちらも参考に
腹筋群と骨盤底筋
良質な呼吸の獲得
では良い呼吸とは何なのでしょうか?
医療の現場においては「呼吸数」であったり「血中酸素濃度」を計測して呼吸機能を評価します。
しかし姿勢や骨盤底筋にとっての良い呼吸は少し見方が変わってきます。主に以下の様なことを見ています。
- 腹式呼吸が出来ているか?
- 呼吸が浅くないか?
- 呼吸時に過剰に働いてしまう筋肉があるか?
- 呼吸時に制限になっている部位はあるか?動きにくい部位はあるか?
- 呼吸によって骨盤底筋が引き上げられているか?
このようなことに問題が起きていると、呼吸が効率的に行われていない可能性があると判断し、その原因を探して効率的に行えるように介入していきます。
特に女性において、「息を十分に吐ききれない」方が多くいます。つまり横隔膜が十分に弛緩して、上方に引き上がらない事が起きています。横隔膜が上方に引き上がらないことは、骨盤底筋が上方に引き上げられないことにも繋がります。
このような場合は呼吸の呼気が出来ない原因に対してアプローチをしていくことで、骨盤底筋の機能向上を図っていきます。
どうでしたか?女性において大切な骨盤底筋と呼吸は深い関係があることが理解できたでしょうか?
骨盤底に何らかの違和感を感じている方は、是非一度自分の呼吸がどうなっているか?浅くないか?吐く時間が短くないか?気にしてみてくださいね!!
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