女性において筋膜アプローチが大切な理由
ロルフコンセプトウィメンズの星です。
ロルフコンセプトウィメンズでは女性・マタニティや産後の女性に対して「筋膜リリース」という手法を用いてアプローチさせていただいています。
女性のからだにおいて「筋膜」を考えることはとても重要であり、「筋膜」に対してアプローチすることがとても効果的とされています。
その理由を少しお話させていただきます。
目次
筋膜とは?
筋膜とは、脂肪組織、外膜、神経血管鞘、腱膜、深筋膜、浅筋膜、神経上膜、関節包、靭帯、膜、髄膜、骨膜、支帯、中隔、腱、内臓膜、筋内膜、筋周膜、筋外膜を含む全ての筋肉及び筋間の結合組織を包含する。
Adstrum,S. Hedley,G Schleip,R Stecco,C & Yucesoy,C.A.(2017).Defining the fascial system.Journal of Bodywork & Movement Therapies,21,173-177
難しい専門用語が並んでおり理解するのが難しいと思います。
簡単に説明しますと、内臓や神経、血管、骨、筋肉などを包み込んでいる結合組織の総称です。
ではなぜその「筋膜」を考えることが女性において大切なのかお話していきますね。
筋膜は性ホルモンの影響を受ける
筋膜のある特定の部位(腱や靭帯など)においては、女性ホルモンと呼ばれるエストロゲンが筋膜(コラーゲン)の合成に影響を与えると言われています。
例えば、エストロゲンの分泌量が減るような状況が起こるとします。(体重の減少、閉経、経口避妊薬の長期服用などでエストロゲンの分泌量が低下します。)
すると一部の筋膜においてコラーゲンの合成が低下します。
特に腱や靭帯において低下しますので、腱や靭帯の損傷や断裂が起こりやすくなります。
リラキシンが筋膜のターンオーバーに関与している
リラキシンとは、名前は聞いたことがあるかもしれませんが、妊娠・出産後2か月までに多く分泌されているホルモンです。
このリラキシンが筋膜のターンオーバーに関与しています。
※ターンオーバーとは、人間の身体の組織は分解と合成を繰り返しています。その循環のことを言います。
リラキシンは女性だけでなく、男性においても分泌されているホルモンですが、その分泌量が少ないと筋膜のターンオーバーが不十分になり、組織が硬くなってしまいます。
強皮症という病気は、そういったホルモンの分泌異常から起こるものとされています。
一生のうちでリラキシンの分泌量に変化が起こる女性においては、リラキシンホルモンの影響を理解してアプローチすることは重要であり、効果的であると思われます。
以上の点から、女性において「筋膜」に対してアプローチすることはとても重要ということが理解できると思います。
女性への施術をしているセラピストは、是非「筋膜」に目を向けてみてくださいね!
参考文献:人体の張力ネットワーク 膜・筋膜 最新の知見と治療アプローチ.Robert Schleip,Thomas W.Findley,Leon Chaitow,Peter A.Huijing
専門職向けに(理学療法士、作業療法士、柔道整復師、その他ボディーワーク関連の仕事の方)骨盤周囲の筋膜リリースのセミナーを予定しています。
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